Blockcerts(ブロックサーツ)を利用したブロックチェーン証明書のメリットについて

ブロックチェーン証明書の発行プラットフォームであり、世界基準規格にもなっているBlockcerts(ブロックサーツ)とは何か、解説します。

Blockcerts(ブロックサーツ)はブロックチェーン証明書の発行規格

Blockcerts(ブロックサーツ)は、教育機関等が発行する卒業証明書や資格情報などをブロックチェーンに記録し、改ざん不可能で永久に残るブロックチェーン証明書を発行するために利用されています。(記述を変えることで、成績表や学割証、卒業証明書への応用も可能)

他大学や雇用先との連携も視野に入れ、グローバルスタンダードとして普及するよう、MIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業した複数のエンジニアが提唱・開発した規格で、最初のコンセプトデザインはMITのMedia LabとLearning Machineが共同開発した背景もあり、信頼性の高い規格です。

既にMIT(マサチューセッツ工科大学)やバーレーン国内の大学、マルタなど世界各国でブロックサーツを用いたシステムでデジタル卒業証明書を学生に授与しており、実用化されています。

アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)は、今年の2月に卒業した学生全員にブロックチェーンに基づく電子卒業証書を授与しました。この証書は、ソーシャルメディアで共有することや雇用主に直接送ることができるそうです。

BITDAYSより引用

BlockcertsはOpenbadgesの一種

Openbadgeは、Mozilla(ウェブブラウザのFirefoxを開発したIT企業)が開発したデジタルバッジの規格で、オープンソースで提供されています。

MozillaがOpenbadgeを開発する以前からデジタルバッジを手がける企業はありましたが、それぞれが独立した規格を持ち互換性に乏しい状態でした。

そこで、異なる環境でも動作するデジタルバッジの標準規格として、MozillaはOpenbadgeを提唱し、現在でもあらゆる企業で導入・利用されている状態です。

さらに、現在はブロックチェーン技術が台頭したことで、さらに有用性が増してきています。

つまり、デジタルバッジの内容(授業の履修履歴や褒賞、スキルの証明、資格等)を電磁的に表現するだけではなく、その記録をハッシュ化してブロックチェーン上に記録することで、バッジの真正性を永遠に担保し、かつ誰でも簡単に検証できる仕組みとなっています。

この仕組は教育現場における評価システムの刷新、学歴から”学習履歴”への価値移動という意味でイノベーションが期待されており、日本のスタートアップもサービスを開始しています。

Blockcerts(ブロックサーツ)、Openbadgesはブロックチェーン証明書のデファクトスタンダードになるのか

Web2.0から3.0への過渡期において、紙の各種証明書のデジタル化が進むことが想定されます。

その本質は、「任意の事実関係を証明・検証する」というプロセスがデジタル化されることであらゆる業務が効率化される点にあります。

任意の事実とは、例えばKYC(本人確認)、学歴、職歴、資格・スキル等です。

これらの事実の真正性は、本人確認であれば免許証や保険証、学歴であれば卒業証明書、職歴であれば履歴書、資格であれば有資格証明書で担保されています。

すべて紙媒体に記録されているものであり、紛失、改ざんのリスクに加え、多大な発行コストがかかっています。そして内容はクローズドになっていて、共有することが非常に困難です。

その点、Blockcerts準拠のブロックチェーン証明書はこれらの問題を解決する機能を備えています。

Blockcertsの証明書には発行者のID、所有者のIDの入力が必須項目になっており、各教育機関が所有する固有のブロックチェーン公開鍵(ビットコイン、イーサリアム等、パブリックチェーンのアドレスであれば何でも可)をIDにすることで、「この証明書はその大学から発行された」ということが数理的に証明できます。

所有者IDも同様で、所有者が固有の公開鍵を持つことで、証明書の所有権を立証することができます。

 Openbadge2.0はデジタルバッジの世界標準規格へ

アメリカのデジタル教育関係の標準化団体「IMS Global」は、Openbadge2.0を世界標準規格として認定しました。

こういった背景を鑑みると、現在、ブロックチェーン証明書のデファクトスタンダード規格として最も有力視されているのが、Openbadges2.0準拠の「Blockcerts」になります。

ブロックチェーン証明書の真正性をワンタップで検証できるアプリ

ブロックチェーン証明書はブロックチェーンそのものが持つ耐改ざん性をうまく利用した実用例です。

しかし、実際に社会実装するためには、ブロックチェーンの知識がない一般ユーザーでも扱える仕組みが必要です。

現在、Blockcertsからは無料のアプリが提供されており、これを利用することでjsonファイル形式のブロックチェーン証明書を保有できます。

このアプリが非常によくできていて、証明書の表示ページにある「Verify」のボタンを推すことによって、その証明書のハッシュ値が記録されたチェーンにリアルタイムでアクセスし、検証作業を行い、内容が改ざんされていないか確認可能です。

検証時間は3〜5秒ほど。非常に簡単に、かつ瞬時に任意の事実を数理的に立証することができます。

今まで、紙の証明書では改ざんされてないことを立証するため、

  1. 証明書を封筒にいれたままにする
  2. 原本の提出が必要

など、非常に非効率的なプロセスを必要としましたが、

  • 発行元と所有者をID(公開鍵)で特定
  • アプリ内の証明書を、それがハッシュ化されたチェーン上の記録と照合

することで、第三者機関の承認なしに事実確認が完了できるようになりました。