Blockcerts(ブロックサーツ)を利用しオンライン学位証明書を開発したCredentiaのAlexにインタビューしてみた

ブロックチェーン証明書の発行プラットフォームであり、世界基準規格にもなっているBlockcerts(ブロックサーツ)とは何か、解説します。

Blockcerts(ブロックサーツ)は、教育機関等が発行する卒業証明書や資格情報などをブロックチェーンに記録し、改ざん不可能で永久に残るブロックチェーン証明書を発行するために利用されています。(内容しだいで成績表や学割証、卒業証明書として応用も可能)

また、BlockcertsはOpenbadgesの一種でもあり、他大学や雇用先との連携も視野に入れ、グローバルスタンダードとして普及するよう、MIT(マサチューセッツ工科大学)を卒業した複数のエンジニアが提唱・開発した規格です。最初のコンセプトデザインはMITのMedia LabとLearning Machineが共同開発した背景もあり、信頼性の高い規格です。

既にMIT(マサチューセッツ工科大学)やバーレーン国内の大学、マルタなど世界各国でブロックサーツを用いたシステムでデジタル卒業証明書を学生に授与しており、実用化されています。

アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)は、今年の2月に卒業した学生全員にブロックチェーンに基づく電子卒業証書を授与しました。この証書は、ソーシャルメディアで共有することや雇用主に直接送ることができるそうです。

BITDAYSより引用

 

さて今回は、Blockcerts(ブロックサーツ)を用い、ブロックチェーン証明書の発行システム「Credentia」(クレデンシア)を開発したアメリカ人エンジニアのAlex Kodate氏にインタビューしました。

彼はCredentiaをアジアで展開しており、既にタイ国内のブロックチェーン教育機関への納品実績もあるとのこと。

なお、Alexは日本に6年ほど住んでいた経験もある日英バイリンガルで、ブロックチェーンの海外の知識を日本語で分かりやすく伝える、といった活動もしています。

じゃがいも
ではまず、Blockcertsの概要を説明してもらえますか?
アレックス
Blockcertsは、教育機関が発行する卒業証明書とか、資格のエビデンスを暗号化してからブロックチェーンに記録し、学歴や資格情報を詐称できない証明書を作るためのプラットフォームです
じゃがいも
なるほど。今後ニーズがありそうですね。なぜ、Blockcertsを使って「Credentia」を作ろうと思ったのですか?
アレックス
まず、ブロックサーツは開発プラットフォームであって、アプリではありません。ブロックサーツのソースコードをコピーするだけではプロダクトにならないということです。自分なりに研究して、カスタマイズして、デザインして初めて使えるシステムなんです。我々はそれを作りたかった。実際に社会に役に立つ物をです。その完成形が「Credentia」という発行サービスです。
じゃがいも
ありがとうございます。次に、ブロックチェーンで学位証明書を作ろうと思った理由を教えて頂けますか?
アレックス
理由は、学歴詐称という社会問題をまず解決したかったからです。世界には、学歴を偽って有利な職を得ようという人がたくさんいます。現代の教育機関は紙で卒業証明書や資格証明書を発行するから、簡単に偽造できてしまうし、特に日本では学歴詐称が犯罪として認定されないので、抑止力がありません。
じゃがいも
たしかに
アレックス
学歴詐称は社会にも明らかな悪影響を与えます。ちゃんと勉強して学位を取った人たちが不当に職を奪われてしまうからです。そう思っていた時に、ブロックチェーンならこの問題を解決できると、Blockcertsに出会って気づきました。証明書の正当性を証明するハッシュ値をブロックチェーンに記録すれば改ざんもできないし、誰でもいつでも参照できる。そしてオープンソースなので、どういった仕組みで動いているのか誰でも検証できます。そういった透明性が確保されているので、社会インフラにもなりやすいんですね。
じゃがいも
仰る通り、ブロックチェーンと証明書の相性は良さそうですね
アレックス
はい。2つ目の理由は、僕がブロックチェーンのアプリ開発に興味を持った時、ほとんどのプロジェクトが”色々盛り込みすぎている“と思ったことです。「スマートコントラクトで動いて、教育や不動産の契約書作成に使えて量子コンピュータ耐性があってPOSで配当があります」という風な。
そういったクリプトに関連したサービスではなく、Credentiaはシンプルで教育機関に最適化されたブロックチェーンのプロダクトを提供したいと考えました
じゃがいも
なるほど。ICOにも興味がないそうですね
アレックス
Credentiaに関しては、トークンを発行する意味がありません。我々は投機商品が作りたいわけではありません。社会、特に教育機関に対して有益なブロックチェーンプロダクトを提供することにフォーカスしています。

もう開発は終わっていて、改ざん不可能なデジタル証明書を発行できる仕組みが手元にあります。タイでは契約先が決まったけど、日本の大学や資格学校にもぜひ使ってもらいたいので、提携先を探したり、経済産業省が主催するハッカソンへの参加順位をしている真っ最中です。(2019年4月追記:Credentia社は同ハッカソンに参加し、その実用性が認められ賞を受賞しました)

もしこのインタビューを読んでブロックチェーン証明書発行サービスに興味を持った関係者がいたら、ぜひコンタクトが欲しいですね。私は日本語の翻訳家でもあるので、日本語で答えますよ

じゃがいも
たしかに、日本では英文の卒業証明書を発行するのに手間と時間がかかりますからね。実需がありそうです。実際、経済産業省はブロックチェーンを利用した学位証明の発行を進めると名言していますね。
経済産業省はブロックチェーンを利用し学位証明書をオンラインで発行できるようプロジェクトを進めている

経済産業省はブロックチェーンを利用した学位証明書をオンラインで発行するプロジェクトを進めている

アレックス
たとえCredentiaがやらなかったとしても、証明書や信頼性の担保が必要な書類はデジタル化していくと思います。したがって、この新興マーケットの規模は大きいでしょう。期待が大きいので、ブロックチェーン学位証明発行サービスを提供しているアメリカ企業に300万ドル(約3億円)が投資された事例もあります
じゃがいも
アレックスはCredentiaをアジア、特に日本へ提供したいそうですが、その理由を伺えますか?
アレックス
日本は教育水準が高くて、大学の進学率も良くニーズがあると思ったからです。私自身が日本に6年住んでいたから、日本の文化にも詳しいですしね。大好きな日本に、我々のブロックチェーン技術で少しでも貢献できたらと思ってます
じゃがいも
ありがとうございました

ブロックチェーン学位証明書発行サービス「Credentia」(クレデンシア)へのお問い合わせはこちら

Blockcerts(ブロックサーツ)を利用したブロックチェーン学位証明書発行サービス「Credentia」(クレデンシア)は、現在日本の提携先、またはブロックチェーン学位証明書発行サービスを開発中の企業へ、開発援助やOEMの提供を行っているとのこと。

ご興味のある方は、クレデンシアの公式ページからご連絡を。ページ最下段に開発チームへのメールリンクが載っています。「日本語対応OKなので、お気軽にご連絡ください」とのことでした。